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猫ト指輪ト蒼色絵本
日曜日
○暗転。 一年のうちで三十日間、神殿に勤める者は自由に休日を得ることができる。週末や祝祭日などは神殿は常に何かの集まりでごった返し、市井の者たちと同様の時間に休むことができないからだ。それはある意味、義務のようでもある。なぜなら、人は休ま... -
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紅の夢
○夕焼け空。テキストフェイスは紅丸です。 遙かを眺める。千里の果てを。海の向こうには何があるだろうと。——我のような者だけがある、楽園があるかと。その光景を夢想する。けれど、それはほどなく淡い吐息と一緒に、消える。皿のように目をこらしても、... -
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異邦人
○暗転。 ——今まで、大抵のことには冷静に対処してきた。狼狽えるという行為は、私にとって一番忌むべき感情のひとつだ。常に冷静、沈着に。それが私を私たらしめる、言うなればポリシーのようなものだからだ。時折暴れる、自分の奥底に沈む焼け石のように... -
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蒼星
○暗転。 生来、手紙というものは好きな方じゃない。インクで手が汚れるのも嫌だし、書き間違いをするんじゃないかという余計なスリルもうざったい。近くの人ならば会いに行けばよいのだし、遠くの人でも旅気分で出かけたっていいじゃないか。何より顔の見... -
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水面の星
○暗転。 月明かりの下、恋について語ったことは何度もある。遠くに聞こえる音楽と、空っぽのワインの瓶、白樺の影、白いドレス、仮面。舞踏会を劇場と唄った詩人は素晴らしい。まさしく本質をついている。馬鹿の振りも利口の振りも気分次第。月の下では美... -
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にんぎょうのおうじさま
○補足 ボビー主人公ですが、声はつきません……(笑)。○暗転。 まず、無知な君のために自己紹介をしてあげよう。私の気遣いに涙を流して感謝するといい。キシャー。 ○一枚絵 ボビーアップ適当にキリヌキ。 私の名前はボビー。人形の国の王子である。この... -
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システムメッセージ – 猫ト指輪ト蒼色絵本
○シナリオ選択○最初にシナリオ選択をする場合 【猫】「やれやれ、それでは話してやるとするか」【猫】「長いのも短いのもあるからな。気長に聞け」【猫】「それでは始めるぞ」 ○二回目以降 【猫】「どれを話して欲しいのだ?」 ○選択できるシナリオがない... -
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エピローグ – 猫ト指輪ト蒼色絵本
吾輩は猫である。名前はまだない。——というのは、すでに説明した通りか。そう、名前は実はある。が、その名前はもう呼ばれまいと決めた名前だから、呼ばれないだけ。——頑固者だと笑いたくば、笑え。吾輩はかつて青い髪のあの人に助けられた。大事な人を失... -
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青い熊さん
○暗転。 青い熊のぬいぐるみを買ってもらった。それはとても大きくて、私の背よりも大きいの。包み紙には入らないから、店員さんが首に大きなリボンを巻いてくれた。それはプレゼントの証し。あの子が私にくれたもの。 ○夕方の広場。 【アクア】「……へへ……... -
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ガラガラ
○暗転。 人間には天敵がたくさんいるらしい。——みんな全部、ひっくるめての敵じゃなくて、ひとりひとりの天敵。マリンはおばけが怖いんだって前、言ってた。葵はあやかしというものとずっと戦っていたって。——『こわい』って感情は、わかる。なんとなくだ... -
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Aqua Notes
○暗転。 遠く遠く、遙か遠く。故郷から離れ、失い、彼女はここへやって来た。愛する場所はどうしてなくなったの?そう聞くと、彼女は微笑みながら言った。 【金色の少女】「その前に、あの星がどんなに美しかったかを話していい?」 ○一枚絵 金色の少女 ... -
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運命の夜
○暗転。 その日、俺は珍しく寄り道をしないで、まっすぐ学舎から帰ってきた。確か、十二か十三の頃。リュートの両親が事故に巻き込まれて、あいつが荷物をまとめていた頃。騎士っていったって、別に使用人がいるような家じゃない。家具を処分して、金にな...